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ファクタリングとは?しくみや種類をまとめて解説

事業を営む中で、経営者はしばしば資金繰りに困るケースがあります。このようなときに役立つ便利なサービスとして、近年注目されている資金調達の方法が「ファクタリングサービス」です。
しかし、これまでファクタリングを使ったことがない人にとっては、「なんとなく、あやしい…」「損をしてしまうのでは?」という不安を感じることもあるでしょう。

そこで、ファクタリングとはいったいどのようなサービスなのか、歴史とともに詳しく解説します。

ファクタリングとは?

ファクタリング(Factoring)とは、企業の持つ売掛債権をファクタリング会社に譲渡・売却して、資金化することをいいます。
売掛債権の回収には、通常数ヵ月を要する場合が多いのですが、ファクタリングによって現金化や資金化を早められるため、資金繰りの悩みを解決することができるのです。
欧米では盛んなシステムですが、日本では新しい資金調達方法として注目を集めています。

ファクタリングは、なぜ便利なのか?

企業の事業資金調達方法というと、多くは銀行からの融資を思い浮かべると思います。しかし、これには審査の条件も多く、手間や時間もかかります。実際に事業を営んでいく上で、時間のロスは大きな命取りになる場合もあるのです。

そのため、企業にとって最も簡単で一般的な資金調達方法は、「自社のサービスや製品を売る」ことです。ところが、これにも問題があります。サービスや製品を売った際の売上金は、必ずしも即入金されるとは限りません。特に日本の場合は、信用手形のような信用に基づく取引が主流という歴史があります。

売掛金にしても、取引代金の締め日から支払日までの猶予期間である「支払いサイト」が、月末締め翌月末払いの30日サイトであればまだしも、45日サイトや60日サイトというケースもあるでしょう。すると、「資金が必要になってもまだ入金されていない」ということが中小企業においては度々発生してしまうのです。
このような場合にファクタリングを利用すれば、事業者は支払いサイトを気にすることなく、即時現金を手にすることができるため、キャッシュフローの改善にも役立つのです。

日本におけるファクタリングの現状

日本におけるファクタリングの現状
日本において、ファクタリングはどのように発展していき、現在ではどのようなサービスが提供されているのでしょうか。その歴史を見ていきましょう。

ファクタリングの起源

現在のファクタリングにつながる債権の現金化は、16世紀のイギリスという説もありますが、1900年頃のアメリカで本格的に運用されるようになったのが始まりです。
その後、アメリカやイギリスといった、欧米を中心に活用されるようになりました。ビジネスの場では債権を利用して資金調達をするのは当たり前の手段となり、経済成長に一役買ったしくみともいわれています。
一方、日本ではアメリカよりも70年ほど遅れてファクタリングサービスが導入されます。

日本におけるファクタリングの広がり

1970年初頭、日本にファクタリングを行う金融機関が登場しました。ところが、そのころの日本では、企業間の取引は支払手形で行われることが多く、債権を現金化するファクタリングの需要はなく、定着することはありませんでした。なぜなら、手形割引を利用することで手形の期日前に現金化ができたため、わざわざ新しいファクタリングというサービスを利用する必要がなかったのです。

しかし、その後バブルが崩壊し、手形取引を行う企業が減少していきます。すると、これまで手形を現金化して資金繰りを回していた企業が、立ち行かなくなってしまったのです。

注目されるファクタリング

1998年に、法人が金銭債権の譲渡などをする場合の簡便な対抗要件制度として、債権譲渡特例法 (2005年に一部改正)が施行されました。また、2001年には、中小企業者が保有する売掛債権に対して融資を行う場合に、信用保証協会が保証してくれる売掛債権担保融資保証制度(2007年に拡充し、流動資産担保融資保証制度に名称変更)が創設されました。このことなどが追い風となり、2000年代後半に入ってからは、日本でもファクタリングの認知度や利用率が徐々に高まっていったのです。

このように、ファクタリングは、まだまだ日本では歴史も浅く、一般的に普及していません。しかし、近年では経済産業省の中小企業庁が、「売掛債権の利用促進について」という文書を発表し、中小企業に積極的に債権を有効活用するよう呼び掛けているといった現状からも、ファクタリングが、今後さらに発展していくと考えられているのです。

ファクタリングの種類とは?

ファクタリングの種類とは?
日本におけるファクタリングは、大きく3つに分類されます。それぞれ、どのようなサービスなのか紹介しましょう。

買取ファクタリング

買取ファクタリングとは、債権をファクタリング会社が買い取ることによって、現金化を行う手法です。欧米で主流の方法で、債権回収の期日を待たずに債権を現金化できるというメリットがあります。
買取ファクタリングは、一般的な「3社間ファクタリング」と、日本で独自に発展してきた「2社間ファクタリング」に分類できます。

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは、債権の現金化を希望する企業と、ファクタリングサービスを実施している企業と、売掛先である取引先企業の3社間で取引を行います。
3社間ファクタリングは、次のような流れで行われます。

<3社間ファクタリングの流れ>

  1. 売掛金の請求(債権の発生)
  2. ファクタリング会社に債権の買取りを依頼し、契約を結ぶ
  3. ファクタリング会社が、売掛先である取引先企業に対して売掛債権の譲渡通知を行い、承諾を受ける
  4. ファクタリング会社が、債権の買取りを希望する企業に対して、債権譲渡代金を支払う(債権の現金化)
  5. ファクタリング会社が、売掛先である取引先(債務者)から代金を回収する

3社間ファクタリングの流れ
3社間のファクタリングでは、取引先に債権譲渡の通知を行い、承諾を受ける必要があるため、現金化までにやや時間がかかります。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、債権の現金化を希望する企業と、ファクタリングサービスを実施している企業の2社のみで取引を行う方法です。
2社間ファクタリングは、下記の流れで行われます。

<2社間ファクタリングの流れ>

  1. 売掛金の請求(債権の発生)
  2. ファクタリング会社に債権の買取りを依頼し、契約を結ぶ
  3. ファクタリング会社が、債権の買取りを希望する企業に対して、債権譲渡代金を支払う(債権の現金化)
  4. 売掛金が支払われる
  5. ファクタリング会社に対して売掛金を支払う

2社間ファクタリングの流れ
2社間ファクタリングは、取引先に対してファクタリング会社が連絡をすることはないため、周囲に知られることなく、内密にファクタリングを利用したい場合に適しています。また、現金化までスピーディーに進みます。

保証ファクタリング

保証ファクタリングは、日本で独自に発展した手法です。債権を現金化するのではなく、債権が回収不能になるリスクを回避するためのものです。
一般的な保証ファクタリングの流れは、下記のとおりです。

<一般的な保証ファクタリングの流れ>

  1. 売掛金の請求(債権の発生)
  2. ファクタリング会社に保証ファクタリングの申込みをする
  3. ファクタリング会社が売掛先の信用情報を調査し、それに従って保証金額の上限を通知する
  4. ファクタリング保証契約を結ぶ
  5. 売掛先が倒産して債権の回収が不能になった場合、ファクタリング会社が保証金額の全額を支払う(売掛先から企業に売掛金の支払いがあれば、そのまま保証契約終了)

このように、保証ファクタリングは、保険のような性質を持ったものです。
新しい取引先を増やしたいが、倒産リスクが気になるというときは、保証ファクタリングを利用することでリスクを回避できます。

国際ファクタリング

国際ファクタリングは、輸出取引に対して信用を保証するファクタリングサービスです。信用を保証するために発行される信用状(L/C)を利用せずに、海外企業と取引をする際のリスク回避策として活用されます。
一般的な国際ファクタリングの利 用の流れは、下記のとおりです。

<一般的な国際ファクタリング流れ>

  1. 売掛金の請求(債権の発生)
  2. 海外の輸入者(バイヤー)に対して、国際ファクタリングの承諾を受ける
  3. 日本のファクタリング会社に信用調査を依頼する
  4. 日本のファクタリング会社が、海外のファクタリング会社に信用調査を依頼する
  5. 海外のファクタリング会社が信用調査を行う
  6. 保証引受額(保証できる金額の上限)が決まる
  7. 必要書類を提出し、正式に国際ファクタリングを申し込む
  8. 海外のファクタリング会社が代金を回収し、日本のファクタリング会社を通して支払われる

ファクタリングの利用方法

ファクタリングの利用方法
ファクタリングを利用するためには、いったいどうすればいいのでしょうか。利用方法についてまとめました。

ファクタリングは誰でも利用できる?

債権は、必ずしも企業が持つものとは限りません。個人の方でも、趣味のハンドメイド製品をフリマアプリで売ったり、企業に不用品の買取サービスを利用したりした場合、「債権者」になります。しかしこのような個人の持つ債権に関して、ファクタリングは基本的に対象外となっています。

ただし、必ずしも法人格を持っていなければいけないかというと、そうとは限りません。ファクタリング会社によっては、自営業やフリーランスであっても対象にしている場合があります。
詳細な取引条件は、各ファクタリング会社に確認しましょう。

契約までにかかる時間

スピーディーに現金化できるといわれているファクタリング。契約から入金までに要する時間は、いったいどのくらいなのでしょうか。
買取ファクタリングと保証ファクタリング、それぞれのケースについてご紹介します。

<買取ファクタリングの場合>

買取ファクタリングの申込みを行った後は、仮審査と審査を経て、双方が合意した場合に契約へと進み、現金が入金されます
かかる時間は、2社間ファクタリングの場合、数日で現金化できることが多いです。3社間ファクタリングの場合は、数週間程度かかる場合もあります。
なお、買取ファクタリングは、取引先と債権譲渡を禁止する契約を結んでいない場合に限り利用できます。債権の譲渡が契約で禁止されている場合、買取ファクタリングを利用することはできません。

<保証ファクタリングの場合>

保証ファクタリングの場合は、現金を受け取るまでに、ある程度の時間がかかります。これは、「売掛先からの支払いができない」とファクタリング会社が判断しなければ入金にならないからです。
たとえ支払いが遅延した場合でも、「債権回収が不能」と判断されなければ保証を受けることはできません(支払いの遅延に対して保証を行うファクタリング会社もあります)。

ファクタリングに必要な手数料

ファクタリングに必要な手数料は、売掛先の信用やどのようなファクタリング契約を結ぶかによって異なります。一般的には、2 社間ファクタリングの場合は10~30%前後、3社間ファクタリングの場合は1~5%前後の手数料がかかります。
また、保証ファクタリングの場合は、売掛先の信用度に加えて、保証金額や保証期間などによって保証料が変動します。

ファクタリングは債権を現金化できる便利なサービス

ファクタリングは、債権をスムーズに現金化するための方法です。銀行の融資のように手続きに時間がかかることもなく、スムーズに資金調達が行えます。
急に資金が必要になったときや、将来の資金繰りについて悩みを抱えている場合は、ファクタリングの利用を検討してみてはいかがでしょうか。