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資金繰りが苦しい…根本的な改善のために経営者がすべきこと

企業を経営していく中で、知らぬ間に資金繰りが苦しい状況に陥ってしまうこともあるでしょう。しかし、企業を存続させるためには、支払いが滞る前にどうにかして資金を回せるように工夫しなければいけません。
そこで、資金繰りが苦しくなってしまったときの対処法と、そもそもなぜ資金繰りが悪化することになるのか、経営者が押さえておきたい資金繰り改善のポイントをまとめました。

なぜ資金繰りに困るのか?

明らかに客足が途絶えていたり、取引先が倒産してしまったりといった問題を抱えている場合は、当然、資金繰りにも困ることになるでしょう。しかし、一見大きな問題のない経営をしている企業の中にも、資金繰りに苦しんでいるケースが少なくないのです。
仕事の受注はあって利益も出ているはずなのに資金繰りに苦しんでしまう経営者の多くは、次のような特徴を持っています。

キャッシュフローを把握していない

キャッシュフローというのは、自社の資金の流れのことです。経営者は、利益や売上目線で物事を考えてしまいがちですが、資金繰りがショートする原因の多くは、手元で動かせる現金の不足です。

例えば、4月の売上が500万円で、経費(給与や仕入れにかかった費用)が300万円だったとしましょう。この場合の粗利は200万円ということになりますが、取引が現金ではなく売掛金であった場合、売上の500万円が即座に手元に入るわけではありません。
売掛金の回収が翌々月10日、経費の支払日が翌月末だった場合、入金される前に300万円もの大金を工面する必要があるのです。

上記の場合、200万円の利益が出ているのですから問題がないようにも思えますが、手元資金を計算して残していないと、支払いが滞る可能性を秘めていることになります。

数字に弱い

決算は税理士任せで、財務諸表の見方もわからないというような経営者では、資金繰りが苦しくなったときに、どこに問題があるのか見つけることが難しい場合もあります。銀行や公的機関などへ融資の相談に行ったとしても、経営状況に関しての質問に対して適切に答えることすらできないと、審査もきびしくなってしまうかもしれません。

特に、専門の財務部門を置いていないような小規模な企業の経営者の場合、「資金がうまく回っていない」と感じても、根本的な原因を追究できなかったり、相談相手が身近にいないせいで、放置してしまったりすることがあります。
経営者自身が数字と向き合い、自社の経営状況に興味を持っていないと、問題を事前に察知して対処しない限り、資金繰りがますます困難になる可能性は高くなってしまいます。

資金繰りについて間違った知識を持っている

「自分はしっかり経営のことを考えているし、資金繰りについても意識している」と思っている経営者も多いでしょう。しかし、それでも現実に資金繰りに問題が出ているのであれば、何かしらの誤解があると考えられます。経営者がよく陥りがちな誤った認識は、以下のようなものが挙げられます。

  • 利益が出ているから問題ない
  • 先程ご説明したとおり、たとえ利益が出ていたとしても、手元に現金がない状態で支払いを迫られてしまうと、資金は瞬く間にショートしてしまいます。
    さらに、利益が出ていても在庫の量が多く、仕入れにお金がかかっているような場合も、実際の収支はマイナスになってしまいます。100万円で仕入れた物を200万円で売れば100万円の利益が出ますが、在庫として2つ品物を仕入れると200万円かかり、結局手元資金が100万円不足してしまうのです。

  • 資金繰りに困ったら融資を受けるしかない
  • 手元資金が足りずに経営が圧迫されたときにとれる手段は、ひとつではありません。
    低金利だからと安易に融資を受けてしまうと、金利が上がったときに圧迫され、後々まで返済を続けなければならず、より一層資金繰りに困る結果にもなりかねません。融資には利息もかかるため、一時的な資金難をカバーすることはできても、長い目で見るとマイナスが大きくなってしまうこともあります。
    資金繰りに困ったときに取れる手立てをできるだけ多く持っておき、素早く実行に移すことが、健全なキャッシュフローを維持する秘訣です。

  • 資金繰りが悪いから経理にがんばってもらわないといけない
  • 企業の資産の状況や資金繰りを経理や財務に任せっきりにしているようでは、資金繰りを改善させるのは難しいでしょう。
    企業の資金繰りというのは、仕入れや営業活動、経営方針など、さまざまな要素が絡み合うものです。経理はお金の流れからその状況を把握し、経営陣に伝えることはできますが、仕入れ単価を削減したり、顧客との契約内容を変えたりすることは得意分野ではありません。

こういった企業全体の問題を包括的に改善していくためには、経営者自身が率先して改革に取り組む必要があります。部署を横断して全体の状況を見通し、方針を定めて指揮をとるのが経営陣の役割だといえます。

資金繰りを改善するために経営者がやるべきこと

資金繰りを改善するための方法をできるだけたくさん知っておけば、その時々の状況に適した対処がとりやすくなります。現在、資金繰りに問題がある場合はもちろん、そうでない場合も、資金繰りを悪化させないためにどのような点を意識して経営を行うべきか、考えてみましょう。

原因分析

資金繰りが苦しい、あるいは毎月資金繰りが苦しくなるタイミングがあるという企業は、まずその原因を分析する必要があります。
単純に「資金繰りが苦しいから売上をもっと増やさなければいけない」と考えるのではなく、売上に対する仕入れの比率や在庫の量、経費の額など、不要な支出を削れる部分がないか、さまざまな視点から検討しましょう。

このとき、人件費には手をつけたくないと考える経営者も多いでしょう。しかし、人件費の見直しというのは、給与の削減に限ったことではありません。出張や営業の際に仮払金制度を導入していないかどうか、業績が良くないのに多額の賞与を支給していないかといった点については見直しが必要です。
仮払いをすれば、それだけ手元資金が減少します。経費精算を後払いにしたり、法人カード払いにしたりといった工夫をすることで、現金の不足を回避できる可能性もあるのです。

一時資金の調達に有効なファクタリング

利益は上がっているのに資金繰りがうまくいかないという場合は、入金と支払いのタイミングに問題がある可能性が高いでしょう。
例えば、仕入先への支払いと客先からの入金がともに月末締め翌末払いでは、何らかのトラブルで入金が遅れた場合、即座に資金繰りがショートすることになりかねません。このような場合は、仕入先への支払いを遅らせるか、客先からの入金を早める交渉をする必要があります。

とはいえ、このような交渉がスムーズにいくとは限りません。取引先との関係が悪くなるおそれもあるでしょう。そのような場合は、売掛債権を譲渡して資金調達できるファクタリングを利用し、一時資金を捻出するのもひとつの方法です。
ファクタリングを利用すると、売掛債権を数日で現金化することが可能です。相手に通知が行く3者間ファクタリングのほか、通知されない2者間ファクタリングというサービスもあるため、内密に資金繰りを改善させたい場合にも適しています。

そのほかの改善方法

ほかにも、「過剰な在庫を持たないようにする」「融資を受ける」など、資金繰りを改善する方法はたくさんあります。
もちろん、そもそもの売上を伸ばすというのもひとつの方法でしょう。特定の方法に固執するのではなく、視野を広く持って、さまざまな側面から問題の解決にあたることが大切です。

まずは経営者自身が自社の財務状況を把握しよう

経営者が自社の財務状況を把握できていない状態で、資金繰りを根本的に改善するのは難しいでしょう。全体の資金の流れや財務諸表の内容を知り、適切な対処をとっていくことが大切です。
それでも資金繰りが苦しい状況に陥ったときは、できる限り早期に手を打って、被害を大きくしないように心掛けましょう。