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回し手形(裏書手形)とは?しくみとファクタリングとの違いを解説

手形は、期日まで待って現金化する以外にも活用できる有価証券です。経営者にとっては、手形のしくみを知ることで、資金繰りに役立てることができます。
ここでは、支払いに活用できる「回し手形(裏書手形)」と資金調達ができる「手形割引」それぞれのしくみと利用方法のほか、注意点を解説します。また、手形と同様に資金繰りの改善に活用できる「ファクタリング」についても紹介しましょう。

回し手形の利用方法

手形を使った取引には「約束手形」と「為替手形」がありますが、会社間の商取引でおもに行われているのは約束手形です。約束手形は、券面に記載された期日に現金化することができ、掛取引の支払いなどに利用されています。
しかし、約束手形の支払いサイトは60日や90日など、長期に設定されているケースが多く、現金化までに時間がかかるという難点があるのです。そのため、取引先から受け取った約束手形を、自社のほかの支払いに充当する「回し手形」として利用することができます。具体的な利用例については、下記のとおりです。

<回し手形の利用例>
1. 4月10日に、A社から「500万円、60日サイト」の約束手形を受け取る。
2. B社との取引の「550万円、4月30日払い」の買掛金に対して、500万円分をA社から受け取った約束手形、残りの50万円を現金振込で支払う。
3. B社は、6月10日に500万円を現金化することができる(この際、現金化せずに他社への支払いに回し手形を利用することも可能)

なお、受け取った約束手形を回し手形として利用する際には、裏面に支払い先(上記の例の場合はB社)の社名と住所、自社名を記載する必要があります。そのため、回し手形は、「裏書手形」と呼ばれることもあります。

回し手形の注意点

回し手形は、現金化までに時間を要する約束手形を、ほかの支払いに活用できる便利な方法です。しかし、安易に利用するとトラブルに発展する可能性もあるので注意が必要です。回し手形を利用する際の注意点は下記のとおりです。

手形が不渡りになった場合は支払いを求められる可能性がある

何らかの理由で回し手形が現金化できなかった場合、回し手形を譲渡した企業から支払いを求められる可能性があります。
例えば、A社が取引先B社から受け取った手形をC社への支払いに活用したケースについて考えてみましょう。手形を現金化する前にB社が倒産してしまった場合、C社は売掛金の回収ができません。このような場合、C社はA社に対して支払いを求めることができます。これを「償還請求権」といいます。

回し手形を利用するためには事前に相手の了承が必要

回し手形で支払いをするためには、事前に取引先に対して、回し手形で支払っても問題ないか伺いを立てなければいけません。このとき、支払いサイトや手形の振出人についても取引先に伝えます。
これらの情報をもとに取引先が検討し、了承が得られれば、回し手形での支払いが可能になります。

資金繰りに疑念を抱かれる可能性がある

約束手形での支払いを取引先に打診した時点で、「手元に支払いのための現金が不足しているのでは?」という疑念を抱かれてしまう可能性があります。取引先からの信用が揺らぐリスクもはらんでいることを認識しておきましょう。

 
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回し手形のルール

回し手形のルール

回し手形を利用する際は、原則として裏書をする必要があります。
手形のサイズは横長ですが、裏返すと縦方向に裏書用の記入欄が用意されています。回し手形で支払いを行う際には、一番上の欄に「自社の住所、会社名」を書いて押印し、その下の「被裏書人」欄に回し手形を渡す取引先の会社名を書くのがルールです。

なお、回し手形を受け取った会社がさらに支払いに使いたい場合は、その下の欄に同じように記載します。こうすることで、裏面の記載に連続性が生じます。これが途切れてしまうと、回し手形として使えなくなってしまいますので、注意しましょう。

■手形の裏書き

なお、手形法により認められた「白地式裏書」という制度もあり、「被裏書人」欄に記載せずに手形を回すことも可能です。被裏書人がさらに別の相手に譲渡する際、裏書きをしなければ被裏書人は遡及義務を負うことがないというメリットがあります。

手形割引の利用方法

受け取った約束手形を支払期日前に活用する方法は、回し手形だけではありません。もうひとつの方法として、「手形割引」があります。
手形割引とは、手形を担保にして、銀行や手形割引業者を介して融資を受けることができます。手形割引という名称は、「手形の額面からあらかじめ利息を割り引いた金額の融資を受ける」ことから名づけられました。一般的な融資とは異なり、後から利子や返済額を支払うのではなく、担保とした手形を銀行や手形割引業者が期日に現金化することで返済を行います。

手形割引の注意点

手形割引は、あくまでも約束手形を担保とした融資です。そのため、万が一、手形が不渡りになった場合は、割引を依頼した銀行や手形割引業者から買い戻し請求をされる可能性があります。また、「割引」とあるように、期日まで待って現金化した場合よりも、受け取れる金額は少なくなります。

手形割引についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
手形割引で約束手形を早期現金化!利用の流れや注意点を徹底解説

手形がなくても資金調達ができるファクタリング

手形は、回し手形や手形割引などを行うことで、資金繰りの改善が期待できます。しかし、手元に現金がなくても資金調達ができる方法は、手形以外にもあるのです。続いては、売掛債権を活用できる「ファクタリング」についてご紹介します。

ファクタリングのメリット

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に売買・譲渡することで、期日前に現金化する方法です。手元に現金がなくても資金調達ができるという点では、手形に似ている部分もありますが、ファクタリングは融資ではないため、万が一取引先が倒産しても支払いを求められることはありません(償還請求権のない契約の場合)。

自社とファクタリング会社の2社間による取引であれば、最短即日での現金化も可能です。また、取引先にファクタリングを利用したことが知られる心配もありません。
一方、自社とファクタリング会社、取引先の3社間で行うファクタリングの場合は、多少時間がかかりますが、手数料が低いというメリットがあります。
2社間と3社間を、希望に合わせて使い分けられるというのも、ファクタリングのメリットのひとつです。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
2社間ファクタリングとは?しくみとメリット・デメリットを紹介
3社間ファクタリングとは?しくみとメリット・デメリットを紹介

ファクタリングを利用する際のポイント

ファクタリング会社にもいろいろありますから、利用するときは自社サイトや会社情報などを確認して、信頼できる会社を選びましょう。
また、ファクタリングを利用すると、売掛債権を早期現金化できますが、その分、将来受け取れる現金が減少します。キャッシュフローに問題が生じないかどうかについても意識して利用を検討しましょう。
長期的に継続して利用したい場合は、将来発生する債権を含めてファクタリングできる、「将来債権ファクタリング」がおすすめです。

将来債権ファクタリングについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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手形割引とファクタリングの違いについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
手形割引とファクタリングの5つの違いとは?賢く使い分ける方法

 
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資金繰りを意識した経営を行おう

会社の資金繰りは、売掛金や買掛金の支払い日の影響を大きく受けるものです。手元資金が不足してしまわないように、回し手形や割引手形、ファクタリングなどの方法を、適宜活用していきましょう。
将来的な資金繰りにも目を向けて、長期的に健全な経営を持続していくための対策をとることが大切です。