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ファクタリングの仕訳/勘定科目/消費税は?会計処理の注意点を解説

ファクタリングを利用して資金調達をした際は、どのように仕訳をすればいいのでしょうか?ファクタリングは融資ではないため、通常の売上にも該当しません。特に、初めてファクタリングを利用した場合、仕訳方法に悩むこともあるかもしれません。
そこで、ファクタリングを利用したときの仕訳の方法と、ファクタリングの会計上のメリット、注意点などについてまとめてご紹介します。

そもそもファクタリングとは?

ファクタリングは、会社が保有する売掛債権をファクタリング会社に売買・譲渡する資金調達方法です。
ファクタリングには一定の手数料がかかりますが、入金までに時間のかかる売掛債権を、早期に現金化できるというメリットがあります。

ファクタリングについて、詳しくは下記をご覧ください。
ファクタリングサービスとは?基礎知識をまとめて解説
売掛債権を譲渡するファクタリングのしくみとは?

ファクタリングの仕訳方法

会計においてファクタリングの仕訳をするときに、つまずきがちなのが、ファクタリング会社から資金が入金された際の処理方法です。

結論からいうと、ファクタリングを利用した際の仕訳は、ファクタリング会社と契約した時点で当該金額を「未収金」として計上し、ファクタリング会社に支払う手数料は、「売掛債権譲渡損」で処理するのが一般的です。

未収金とは、資産の譲渡のような、本業以外の収入があり、その代金が未回収である場合に使用する勘定科目です。売掛金は本業の売上、未収金はそれ以外という使い分け方をします。ファクタリングは債権(=資産)の譲渡ですから、未収金に該当します。

ファクタリングの仕訳例

2社間ファクタリングの場合、最初にファクタリング会社から入金があり、その後、売掛先から入金された売掛金をファクタリング会社に支払うことから、お金の流れが融資に近いと感じるかもしれません。
しかし、ファクタリングは融資ではありませんから、借入金の勘定科目を使うことはないのです。では、実際にファクタリングはどのように仕訳をすればいいのでしょうか。具体例とともに見ていきましょう。

例)
100万円の売掛債権を手数料10%で2社間ファクタリング(自社とファクタリング会社で取引を行う)を利用した場合

仕訳が必要になるのは、下記の5回となります。

    (1)売掛金が発生したとき
    (2)売掛債権を譲渡したとき(ファクタリング契約を結んだとき)
    (3)ファクタリング会社から入金があったとき
    (4)売掛先から入金があったとき
    (5)売掛先からの入金をファクタリング会社に支払ったとき

(1)売掛金が発生したとき

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 1,000,000円 売上 1,000,000円

売掛先に請求書を発行した際は、通常どおりの仕訳をします。

(2)売掛債権を譲渡したとき(ファクタリング契約を結んだとき)

借方科目 金額 貸方科目 金額
未収金 1,000,000円 売掛金 1,000,000円

ファクタリングは未収金にあたるため、ここで「未収金」の計上をします。

(3)ファクタリング会社から入金があったとき

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 900,000円 未収金 1,000,000円
売掛債権譲渡損 100,000円

現金で受け取ったのではなく振込だった場合は、普通預金となります。

(4)売掛先から入金があったとき

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 1,000,000円 預り金 1,000,000円

支払い期日に売掛先から入金があっても、これは自社の売上回収ではなく、ファクタリング会社に支払うお金ですから、「預り金」を使います。振込入金の場合は、現金ではなく普通預金を使います。

(5)売掛先からの入金をファクタリング会社に支払ったとき

借方科目 金額 貸方科目 金額
預り金 1,000,000円 現金 1,000,000円

預り金を支払った仕訳を行って、ファクタリング取引の仕訳が完了します。

なお、2社間ファクタリングの場合、(2)と(3)のあいだにタイムラグが発生しないこともあります。
その場合は、下記のように未収金を使わずに処理してしまっても問題はありません。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 900,000円 売掛金 1,000,000円
売掛債権譲渡損 100,000円

また、3社間ファクタリングで、ファクタリング会社が直接売掛金を回収する場合、(4)と(5)の仕訳は発生せず、(3)でファクタリングの仕訳は完了します。

ファクタリングを仕訳する際の注意点

ファクタリングの会計処理に関して、ほかにも注意しておきたいポイントがありますので、下記にまとめました。

別の勘定科目で処理をしても虚偽がなければ問題ない

ファクタリング手数料を仕訳する勘定科目は、売掛債権譲渡損のほか、売上債権譲渡損、売掛債権売却損などを使っても問題ありません。会計ソフトによって勘定科目が異なる場合もあり、厳密に決まっているものではないからです。

また、割引手形を利用する際の割引料という科目を使って処理をすることもできます。ファクタリングの手数料は割引ではありませんが、どちらも営業外費用に分類される科目となるため、どちらでも結果に影響はありません。

仕訳をする際に大切なのは、嘘がなく、正しい結論になっているかどうかです。内訳内容を質問された際、きちんと説明できるようになっているのであれば、大きな問題にはなりません。

通常の資産譲渡との違い

資産を譲渡した場合は、通常、資産の時価についても含めて処理をする必要があります。しかし、ファクタリングの場合、売掛債権の時価を求めることはできませんから、特にこれを意識する必要はありません。
仕訳例のように、シンプルに売掛債権の金額と入金額、手数料額で仕訳を行います。

売掛金売買の手数料は経費にできる

仕訳例でご紹介したとおり、売掛債権を譲渡した際の手数料は、売掛債権譲渡損として経費計上することができます。

ファクタリングを利用すると、売掛金で回収できる現金の額は手数料の分だけ減ってしまいますが、手数料を経費計上することで法人税は軽減できます。手数料の全額を回収することはできませんが、一部は節税という形で戻ってくるといえるでしょう。

ファクタリングを利用した際の消費税

通常の商取引では、100万円の商品を取引先に納入すると、100万円の商品代金と10万円の消費税を受け取ることになります。そのため、消費税についても仕訳が必要です。

しかし、ファクタリングは非課税取引に該当するため、そもそも消費税の対象にはなりません。そのため、ファクタリング会社から消費税を受け取ることはありませんし、仕訳も必要ありません。
一方、通常の売上に対する消費税は課税されるため、ファクタリングをしたからといって、当該の売掛債権にかかる消費税を納入しなくていいというわけではありません。

消費税については、ファクタリングをしてもしなくても、どちらでも変わらないということです。

ファクタリングでバランスシートの改善が可能

ファクタリングは融資ではありませんから、利用したとしても負債が増えることはありません。ファクタリングを利用することで現金を増やし、負債の返済を進めることでバランスシート(貸借対照表)の改善にも役立ちます。

融資を受けた場合とファクタリングを利用した場合

融資を受けた場合、現金と負債が増加します。一方、ファクタリングの場合は、売掛金が減って現金が増える一方、負債は増減しません。

ファクタリングを利用して借入金を返済した場合

ファクタリングを利用して手に入った現金で、借入金の返済を行うと、売掛金と負債が減少します。そのため、バランスシート全体をスリムにすることができます。

損益計算書上はデメリットがある

バランスシート上はメリットがあるファクタリングですが、損益計算書上では、手数料分利益が減少してしまうため、デメリットがあります。バランスシートの改善というメリットはありますが、そのためだけに安易にファクタリングを利用するのはおすすめできません。

あくまでも、資金調達方法のひとつとしてファクタリングがあり、その結果得られるメリットとしてバランスシートの改善があると考えておきましょう。

ファクタリングを利用したときの仕訳は難しくない

ファクタリングを利用した際の仕訳方法は、決して難しいものではありません。これは、ファクタリングそのものにもいえることです。
実際に使ってみないとどのようなものかイメージがつきにくいと感じる事業主の方もいるかもしれませんが、ファクタリングは資産の売却という非常にシンプルな取引です。ファクタリングについて、不明な点や不安な点がある場合は、いつでもMI Visionにご相談ください。