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経済産業省が売掛債権の利用を推奨!需要が高まるファクタリング

中小企業が資金を調達する際は、株式や社債の発行といった、市場から直接資金を調達する手段が活用しにくいため、金融機関などから資金を調達せざるをえない現状があります。しかし、融資の利用は、中小企業にとって決してハードルが低いものではありません。
そのため日本では、不動産担保や個人保証に依存した従来型の融資ではない、資金調達の方法を拡大することが強く求められています。

近年、経済産業省は、不動産担保に依存しない担保(売掛債権担保、動産担保)の活用を推奨。一部を改正し、2020年4月に施行された債権法では、資金調達の円滑化を目指しています。
中でも、売掛債権を活用した資金調達の方法のひとつでもあるファクタリングは、まだ日本での知名度はそれほど高くありませんが、より柔軟に資金を確保していくための手段として、注目されています。

今回は、日本の企業の資金調達の現状と、売掛債権を活用できるファクタリングについてまとめました。

日本の資金調達の現状

日本の資金調達の現状

日本の企業の資金調達方法には、融資や助成金など、さまざまな種類があります。ところが、中小企業の資金調達方法は、大企業と比べてかなり偏っていると言わざるをえません。
日本の資金調達の現状と、これからの資金調達について考えてみましょう。

中小企業の借入金依存度

借入金依存度とは、総資産に占める借入金の比率で、企業が保有する資産のうち、どの程度借入れに依存しているかを示すものです。
中小企業においては、全体の41.4%が金融機関などからの借入れが占めており、借入金が資金調達をする上で大きな役割を担っていることがわかります。一方、大企業は19.1%となっていることから、中小企業は自己資本や社債以外の方法で資金調達をする企業が多いことがわかります(中小企業庁「2016年版中小企業白書 中小企業の成長を支える金融」)。

日本は不動産を担保とした資金調達が主流

金融機関から融資を受ける際に、担保の提供を行ったかどうかという調査結果があります。
従業員の規模別に、メインバンクへの担保提供の有無についての割合を見てみましょう。

<従業員規模別・メインバンクへの担保提供の有無>
・従業員が20人以下…80.4%が担保提供あり
・従業員が21~100人…86.7%が担保提供あり
・従業員が101~300人…86.4%が担保提供あり
・従業員が301人以上…73.5%が担保提供あり
※中小企業庁「中小企業金融システムの現状」2003年

従業員数によって違いはあるものの、どの場合も7割以上の企業が担保提供をして融資を受けていることがわかります。また、銀行が中小企業に貸出をするにあたっては、事業基盤等の定性情報よりも、財務状況や債権保全(担保・保証)を重視する傾向があるようです。

そのため、担保として提供できる不動産が十分にあるわけではない中小企業の事業主にとっては、融資を受けるハードルがそれだけ高いということになります。

金融機関の中小企業に対する貸し渋り

日本銀行では民間企業に対して「全国企業短期経済観測調査」を行っており、金融機関がどの程度積極的に融資を行っているかを、企業規模別に調べています。
同調査によると、1993年頃から2020年までの期間において、中小企業は大企業と比べて、金融機関の貸出態度が「きびしい」と感じていることがわかりました(日本銀行「第184回 全国企業短期経済観測調査」2020年3月)。

実際に、貸し渋りが起きているかはさておき、中小企業が資金繰りに苦慮しているケースが多いというのは確かだといえるでしょう。

急成長するファクタリングによる資金調達

日本では、約束手形文化が根強かったことなどから、欧米のように急速にファクタリングが広がるということはありませんでした。しかし、約束手形の流通が減少するに従い、ファクタリングの利用も増加しつつあります。

1998年に債権譲渡に関する特例法「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」が制定されたことで、1997年には約4兆802億円だったファクタリング市場は、2018年には約5兆7,660億円と試算されるほど、ファクタリング市場は順調な伸びを見せており、今後も大きく発展していくと考えられます(経済産業省「産業金融部会 中間報告-参考資料-」2003年6月/Factors Chain international「2018 Factoring Volumes by Country/Territory」)。

経済産業省も売掛債権の積極的な利用を推奨

経済産業省も売掛債権の積極的な利用を推奨

経済産業省は、中小企業の資金調達が、不動産の担保価値に左右されすぎている現状を懸念しています。融資を受ける際の担保として、不動産以外の担保価値が認められるものについても積極的に活用できるしくみがあれば、より柔軟に、不動産所有の有無に左右されない資金調達ができるようになります。
そのため経済産業省は、企業の規模や保有不動産などに左右されずに資金調達が可能になる、売掛債権の活用を推奨しているのです。

実際に、売掛債権を利用した資金調達は、欧米では古くから積極的に行われています。日本での売掛債権を活用した資金調達の具体的な方法は、債権を担保に融資を受ける「ABL」と、債権を譲渡して早期に現金化する「ファクタリング」の2つがあります。

ABL(アセット・ベースト・レンディング)

ABLとは、動産担保融資や売掛債権担保融資と呼ばれる融資方法です。不動産だけでなく、動産を担保にして融資を行うことで、より融資が受けやすい環境を作ることができるでしょう。
担保にできる動産には、売掛債権や診療報酬債権などが挙げられます。また、在庫や機械設備などもABLの担保に含まれます。

ABLは、アメリカなどでは盛んに行われていますが、日本ではまだあまり一般的ではありません。2015年時点で、ABLの日本国内での利用は9,963億円と、アメリカの24兆6,068億円に遠く及びません(2017年、野村総研調べ)。

ファクタリング

ファクタリングは、ABLとは異なり融資ではなく、長期にわたって返済を行う必要はありません。売掛債権をファクタリング会社に譲渡して現金化した後は、取引先からの入金後に、ファクタリング会社に支払いを行えば取引は完了します。

債権の利用を推進するための法整備

債権の利用を推進するための法整備

ABLやファクタリングの利用を妨げる一因となっているのが、債権譲渡禁止特約の存在だといわれています。
取引先との契約に、債権譲渡禁止特約が盛り込まれていた場合、その債権をABLやファクタリングに利用することはできません。この特約は、債権がABLを行う金融機関やファクタリング会社へ譲渡されるのを制限するものだからです。

そこで、一部改正された債権法が、2020年4月1日から施行されることになりました。譲渡制限特約付債権の取り扱いについて新たな規定が設けられ、「契約書に債権譲渡禁止特約が記載されていたとしても、譲渡の禁止は無効である」(第466条2項)とされています。つまり、債権譲渡禁止特約を含む契約を結んでいたとしても、ABLやファクタリングが利用できるようになったのです。

この法改正にあたり、経済産業省では以下の案内を出しています。

・資金調達目的での債権譲渡については、契約の解除や損害賠償の原因とはならない。
・譲渡されても特段の不利益はないにもかかわらず、取引の打ち切りや解除を行うことは、極めて合理性に乏しく、権利濫用等にあたりうる。
※経済産業省「債権法改正により資金調達が円滑になります」(2019年6月)

売掛債権を活用した資金調達は、取引先から忌避されるべきものではなく、資金調達方法のひとつとして積極的に活用していくべきという、経済産業省の姿勢が見てとれます。

売掛債権を活用した資金調達は、比較的新しい手段であることから実態がつかめず、不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、法整備が進んでいく中で、ABLやファクタリングの利用は、今後、日本でもより広く利用されていくことになると考えられます。

売掛債権を活用した資金調達は拡大する見込み

日本では、債権を活用した資金調達を推進するための、法整備が進められています。そのため、売掛債権担保融資や、売掛債権譲渡による資金調達は、今後ますます活性化していくと考えられます。
MI Visionでは、ファクタリングのより効果的な活用方法をお伝えしながら、企業の資金繰りの改善をサポートしております。譲渡による売掛債権の早期現金化を検討している方は、ぜひご相談ください。